高い所に安置 釈迦如来座像
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《 金丸作品と共に・・ 》
* * 高所安置の 釈迦如来座像 ( しゃかにょらいざぞう ) * *
釈迦如来座像の ご注文を いただいたのですが 、
本堂での 儀式は 全員が 椅子に座って 行われるため
釈迦如来坐像を 安置する 須弥壇 ( しゅみだん )を 高くするとのこと 。
見上げる人たちと お釈迦様の 視線が 上手く 合うように 作って欲しいとのことでした 。
その 石膏原型が 山小屋工房にあります 。
普通の 釈迦如来に 比べて 首が 下に 傾いています 。
水掻きが 付いている 手です 。
目の 周辺です 。
石膏原型には 縦と 横の 線が 引かれています 。
その 線を 引くために 自分で工夫した 道具を 使っていました 。
横線 ( 水平線 ) は 簡単に 引けますが
T 定規を 併用すれば 縦線 ( 垂直線 ) も 容易に 引くことができます 。
仏師は 工夫して 道具を 作ったり 改良したり していまして 、
「 道具を 直せない者には 良い仕事が 出来ないよ 。」 と 言っていました 。
刃物は 自分で 鋳造するという訳には いきませんが 、
勿論 柄などは 自分で作っていました 。
縦線と 横線の 話に 戻りますが 、
あまりに 左右を きっちり 同じにしてしまうと 、
表情などが 硬くなってしまうので 、
あくまでも 参考に 止めていたようです 。
( 実際の 人の 顔も 左右が 結構 違っていますね 。 )
浅草で修行している時 師匠 ( 西村 房蔵さん ) が 左右の違いを とても 気にするので 、
仏師が 当時工夫していた この道具を使って
師匠の手掛けていた粘土原型に 縦横の線を引いて
左右の 違いを 指摘させてもらったそうですが 、
その線に従って 左右を同じに修正した結果 、
それまで 生き生きしていた 粘土原型が 味気ないものに なったとのことで 、
その後 、師匠は 左右のずれなどを あまり気にしないで
自分の 感性で 作っていくようになったとのことでした 。
仏師も 還暦を過ぎてからは 自分の 個展用の作品には
わざと バランスを崩したりすることが 多くなりましたが 、
この 釈迦如来坐像のように お寺に 納めさせていただく作品に関しては
左右のバランスなどを 整えた上で
追求してきた呼吸法や 表情の出し方などを 取り入れて
存在感の あるものに していったと 言えます 。
完成した 釈迦如来坐像は カメラマンの 望月昭さんに 撮っていただきましたので 、
その 画像を 載せてみます。( 高い所に 置いての 撮影でした 。 )
少し 近付いて ・・
もう少し 近付いて ・・
( 右側の画像は 上の画像とほぼ同じ大きさ 、
角度が若干異なっています 。 )
庵主さん ( あんじゅさん ・ 尼僧さんの ご住職 ) も
満足してくださっているとのことです 。
次回は ミニ展示場に 展示してある 釈迦如来像を ご紹介いたします 。
by kanamaru-etsurou
| 2017-07-19 17:57
| 金丸作品と共に・・
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