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仏師 金丸悦朗の挑戦

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追求し続けた いのち・エネルギーの表現

十三仏の 不動明王 と 弥勒如来





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《 金丸作品と共に・・ 》



前回では 清水区のお寺の 位牌堂に安置されている 十三仏のうち

阿弥陀如来と 地蔵菩薩半跏像と 勢至菩薩を 紹介させていただきましたが 、

今回は それ以外の 悦朗作の 十三仏を

望月さん撮影の画像と 残された石膏原型で ご紹介いたします。




** 不動明王 ( ふどうみょうおう ) **

この 作品に関しては 写真も 石膏原型も 残っておらず 、

望月さん撮影の ポジフィルムが 残っているだけですので 、

十二神将の時のように ポジフィルムを 私が 撮ってみました 。

十三仏の 不動明王 と 弥勒如来_e0354596_00081706.jpg
迦楼羅炎 ( かるらえん ) も彫られていて 造りも しっかりしているし 、存在感も あり 、

台座には 装飾的な模様が 丁寧に彫られているのですが 、



現在 わが家の展示場にある 不動明王 ( ↓ ・ 総高 100 cm ) とは 趣きを 異に しています 。
十三仏の 不動明王 と 弥勒如来_e0354596_17081521.jpg

平成 8 年に 位牌堂に 納めさせていただいた 不動明王は

総高が 約 85 cm と やや 小振りながら、形は ほぼ 同じで 、

作品の 出来も 悪くはなかったのですが 、

如何せん 、他の仏との釣り合いから 使った材が 木曽ヒノキ


木曽ひのき の材は 目が細く揃っていて 木肌が柔らかですから

上品さや 優雅さや 優しさを 表現するのに 適していて

普通は 如来像や 菩薩像を 作る時に 使うのですが 、

反対に 明王、四天王 、邪鬼、カルラなどの 像を 手掛ける 時に 使うと

力強さや 荒々しさが 減少してしまうのです 。


仏師としては いささか 納得できない作品になったものですから 、

『 仏師金丸悦朗作品集 』 への 掲載は 見送りました 。





** 弥勒如来 ( みろくにょらい ) **



これは 遺作集に掲載されている 画像です 。
十三仏の 不動明王 と 弥勒如来_e0354596_01084945.jpg
平成 10 年作 、材は 木曽ひのき 、総高 85 cm 、像高 33 cm 、望月さん撮影


こちらの 全体像は ↓ 望月さん撮影の ポジフィルムを 私が 撮ったものです 。

十三仏の 不動明王 と 弥勒如来_e0354596_10251521.jpg

この如来の 石膏原型が 山小屋工房に ありましたので 、撮りました 。
十三仏の 不動明王 と 弥勒如来_e0354596_01102355.jpg

十三仏の 不動明王 と 弥勒如来_e0354596_01103198.jpg
十三仏の 不動明王 と 弥勒如来_e0354596_01105516.jpg
この 弥勒如来は 他の 如来に比べて 頭部が 大きく作られています 。

この弥勒如来は 位牌堂の 高段に 安置される ( 頭部が小さく見える)ということと

弥勒如来の おおらかな魅力を どう表現するかということを 考えた結果の

金丸悦朗 の 挑戦 の 一つだったと 思われます 。



次回は 阿閦 ( あしゅく ) 如来 と 虚空蔵 ( こくぞう ) 菩薩 を 取り上げます 。






by kanamaru-etsurou | 2017-05-10 17:58 | 金丸作品と共に・・ | Comments(0)

by kanamaru-etsurou