六邪鬼 ( むじゃき )
◎◎ 五百羅漢を ご覧になりたい方は 右側のカテゴリの欄で 《 五百羅漢 》を お選び下さい。
《 金丸作品と共に・・ 》
** 六邪鬼 ( むじゃき ) **
邪鬼 の 説明は 折に触れて 何度か させて いただきましたが 、( 特に 2017 2 / 11 )
要は 今まで 四天王 ( してんのう ) の 足の 下に 押さえつけられていた 邪鬼を
金丸悦朗が 解放し 、人格を 与えてしまったというもので 、
この 行為から 見れば 仏教界から 「 金丸悦朗が " 仏師 " と 名乗ることは 許さない 。 」 と
言われても 文句は 言えません 。
しかし 、邪鬼の中にも 仏性 ( ぶっしょう ) を 見て それを 尊重したと 言えば 、
それは 常不軽菩薩 ( じょうふぎょうぼさつ ) の 心 にも 通じる訳で 、
一概に 非難されるべきこと とは 言えないと 思います 。
邪鬼の中でも 金丸悦朗の 代表作とされる 《 それがどうした 》 は
平成 6 年の 島田 ・ 釣耕苑 での 個展に 初出展 したものですが 、
《 六邪鬼 ( むじゃき ) 》 として 出展していました 。
そのうちの 1 体 が 遺作集に 載っています 。
クス材 高さ 31 cm 、望月さん撮影
完成時の 6 体を 取った写真が ありましたので 載せてみます 。
クローバーの庭に 並べて 上から 撮ったものです 。( 不鮮明ですが ・・ )
これらの像を 彫っている頃
梅園で 有名な 静岡市 洞慶院 ( とうけいいん ) の 茶店の 名物おばさんと 親しくなり 、
おばさん所有の 藁科 ( わらしな ) 川上流にある 山小屋を 1 ヶ月くらい お借りして
そこに 仏師が 一人で 生活して 六邪鬼を 彫っていたことが あります 。
食料調達のためなどで 仏師が 山小屋を 離れていた時
たまたま おばさんが 様子を 見に来てくださったことが ありまして 、
「 金丸さんが 居ないのに 暗い部屋の中が やけに 賑やかいのよ 。
よく見たら 、囲炉裏の周りに 鬼さんたちが 居るじゃん 。
ああ 、これだ ! って 思ったのよ 。 」 と 後で 言ってくださっていました 。
出来上がった 六邪鬼さんたちを 浜岡砂丘に 連れて行って 遊ばせた時の 写真が ありました 。
酒好きな 仏師が 本当に 楽しみながら 彫ったのです 。
初めての個展に 出展した 六邪鬼は 注目を 浴びるものに なりましたが 、
六邪鬼の 前で おじさんお二人が
「 ああ 、 " むじゃき " って こう 書くんだね ・・ 」 と
言い合っていたのが 印象に 残っています 。
個展では 六邪鬼たちのうち 一番右上にお見せした写真の 酒飲み邪鬼さんが
「 一緒に 飲みたい ・・ 」 という方の所に行くことが 決まり 、
後の 5 体の 邪鬼さんたちは 個展の後
金丸作品の ファンでいてくださった 若い 静大の先生の お宅に 引き取られました 。
先生には 幼児から 小学生までの お子さんが 5 人 。
1 体 25万円の 邪鬼像を 5 体 お求めになるのは とても 大変だったと思いますが 、
奥様と 協力なさって " 五邪鬼 " の 代金を 長年かけて 完済してくださいました 。
そのことに 仏師と 私は 感動し 、とても 有り難く思っております 。
今 ミニ展示場には このような 色紙が 飾ってあります 。
これは その先生の お知り合いの方が " 五邪鬼 " の 写真を 撮って
パソコンで 作成して下さったものだそうです 。
『 空 色 生 滅 』 という 文字を 入れたかったらしいのですが 、
相応しい「 滅 」 の 字が 見つからず やむを得ず それらしい 字 に した とのことでした 。
その 先生 奥様と 共に 5人の お子様たちを 伸び伸びと 愛育なさっていましたが 、
代金を完済してくださった 数年後に
交通事故に遭い 突然 お亡くなりになりました 。
その後 奥様は 気丈に 5人の お子様を お育てになり
今は 数人の お孫さんに 囲まれて 明るく 過ごされていらっしゃいますが 、
いつも ご主人に 見守られている実感を 持って いらっしゃるとのことです 。
五邪鬼さんたちも 奥様や お子様たちを 応援させていただいていることでしょう 。
遺作展では 奥様に お願いして " 五邪鬼さん " を お借りしました 。
そこに 尺八演奏家 縄巻修己さん からも 邪鬼 《 尺八 》 を お借りして
《 六邪鬼 》 として 展示させていただきました 。
遺作集に 載っている 《 尺八 》です 。
平成 5 年作 クス材
高さ 3 0 cm
望月さん撮影
尚 、 この 《 六邪鬼 》 も ホームページ の S B S の ニュース 動画で ご覧になれます 。
六邪鬼に 因んで 、次回は 悦朗の 邪鬼像の 流れを 見てみます 。