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仏師 金丸悦朗の挑戦

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追求し続けた いのち・エネルギーの表現

座頭 渡橋






◎◎ 五百羅漢を ご覧になりたい方は 右側のカテゴリの欄で 《 五百羅漢 》を お選び下さい。



《 金丸作品と共に・・ 》






** 座頭 渡橋 ( ざとう ときょう )  **    





今まで ミニ展示場にあるものを 中心に 、

また 、展示場には無いものも 関連付けて

写真や エピソードを 紹介させていただきましたが 、

展示場にある この 《 座頭 渡橋 》 を 語らないと

遺作となった 《 古 木武 ( こぶし ) 》 を 語れないものですから

紹介させていただきます 。 


《 五百羅漢 》 の 中の 第 四十六 尊者 の ところで

詳しく 説明をさせていただいたものですから

そちらの 説明を 憶えてらっしゃる方には

重複していると思われるでしょうが 、復習だと思っていただければ幸いです。



仏師金丸悦朗は 白隠禅師を 敬愛していました。

これは(↓)1974年( 昭和 49 年 )の『 太陽 』 No . 134 に 載っている

白隠禅師 の 肖像彫刻 と 書 の 写真です。

座頭 渡橋_e0354596_11564680.jpg



こちらは 白隠禅師の 自画像
座頭 渡橋_e0354596_12003404.jpg




生き生きしている 《 死 》という 字 です 。
座頭 渡橋_e0354596_12092228.jpg

《 死 》=《 生 》 ということでしょうか ・・




仏師は 白隠禅師の 書画の うち

『 座頭 渡橋 ( ざとうときょう ) 』 が 大好きで、

座頭 渡橋_e0354596_12100801.jpg
( 板に 書いてある文字は 仏師が 書いたものです )


その 『 座頭 渡橋 』 の 立体化を 試みていました。



*** ( " 座頭 " とは 時代によって 意味が 違ってきますが 、

白隠が 生きていた 江戸時代には 「 僧形の 盲人で 琵琶 三味線などを 弾いたり

語り物を語ったり 、あんま ・ 鍼 などを 生業とした人 」 の 総称として

使われていたようです 。 ) ***



これは(↓) 粘土でイメージを作り、 " 野 焼 き " した 習作 です。

座頭 渡橋_e0354596_12110455.jpg

いい加減な 野焼きで焼いた テラコッタですから

緻密な 造りでは ありませんが 、

一体ずつ 見てみますと ・・


座頭 渡橋_e0354596_12125593.jpg←  左側の 座頭 です 。















真ん中の 座頭
座頭 渡橋_e0354596_12144144.jpg
座頭 渡橋_e0354596_12152051.jpg






右側の 座頭 です 。 →














そして いずれ 3 人の 座頭を クス材で 彫って 、

拾ってきた流木を 宇宙に繋がる “ 龍 の 橋 ” として

その上に 乗せるつもりでした。

座頭 渡橋_e0354596_13072818.jpg


3 人の 座頭は 白隠が 描いた 像を 発展させて

宇宙の 営みの 『 破壊 ・ 創造 ・ 維持 』 の 3 態 ( 古インド哲学 ) を

シンボル化したものに しようと

イメージを 膨らませて いました 。
座頭 渡橋_e0354596_13090349.jpg



← 「 維持 」 を 「 熟想 」 とし 、

「 破壊 」 を 「 破戒 」 としてありますが 、

「 破戒 」 は どうかな・・と

私は 思ったりしています 。




座頭 渡橋_e0354596_13092538.jpg
↑ 流木龍 を 撮影 ・ プリントしたものに

3体の 座頭を 描き込んだものが 残っています 。 

( どの 座頭を どの 態に 当てはめようと していたのかは 聞いていませんでしたが ・・ )





舌がんであることが判明し、入院前に 訪れた 熱海の 来宮 ( きのみや ) 神社で

クスノキ の 巨大な 古木に 会い ( 次回で 説明します ) 、

巨大な古木の イメージで

【 破壊 ・ 創造 ・ 維持 」 という いのちの営みを

表現してみたいという 気持ちが 強まってきまして 、

この 《 座頭 渡橋 》 の 立体化の 試みは 保留ということになり、


結局 そのままの形で残ることになりました 。



次回は 遺作となった 《 古 木武 ( こぶし ) 》 を ご紹介いたします 。




by kanamaru-etsurou | 2017-08-14 17:12 | 金丸作品と共に・・ | Comments(0)

by kanamaru-etsurou