懸け仏 子邪鬼 《 風神の子 》
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《 金丸作品と共に・・ 》
** 懸け仏( かけぼとけ ) 子邪鬼《 風神の子 》 **
子邪鬼 《 風神の子 》《 雷神の子 》 の " 懸け仏 ” が 掛けてあります 。
" 懸け仏 " とは " 壁掛け仏像 " のことでして
平等院鳳凰堂の " 雲中供養仏 ・ うんちゅうくようぶつ " ( ↓ ) を
思い出していただければ いいと思います 。
石雲院での 1回目の 個展 ( 平成 13年 ) の 時に 仏師は 試みに
光背を作って 紐で吊り下げ 光背の 下部 中央に 観音像を貼り付けた作品を 出展して
良い評判を 頂戴しましたが 、( 残念なことに 写真は 無し )
その時から " 懸け仏 " 製作は 仏師にとっての 静かな マイブームに なりました 。
2回目の 石雲院作品展 ( 平成 16 年 ) では 6点の 供養仏 と 5点の 子邪鬼 の 懸け仏
3回目の 石雲院個展 ( 平成 19 年 ) には 《 日光 》《 月光 》《 火炎地蔵 》 を
青 あるいは 赤い布を貼った板に 取り付けて 出展しました 。( 後日 紹介します )
ここで 取り上げる 風神の子は
雷神の子と共に 2回目の個展に出した 子邪鬼懸け仏 5体のうちの 1体です 。
壁から 下して 撮りました 。
懸け仏は 背中を 壁 ( 板 ) に ピタッと 取り付ける必要上
半立体にして彫るのですが 、
くるくる回しながら彫れる 完全な立体 の方が 彫り易いと 仏師は 言っておりました 。
左側 脇から ・ 正面から ・ 右側 脇から 撮ってみました 。
上から ・ 下から 撮ってみました 。
顔を 近くで 撮ってみました 。
下唇を出して 「 ふー 」 と 息を吐いているのが 分かります 。
風神の子だと判るように 仏師は " 風 " と書いてある団扇を 持たせました 。
うちわを持っている右手と ぽっこりしたお腹と あぐらをかいている足です。
出している左手 、 風の 流れや 量を 感じているのでしょうか・・。
板には このように ビスが 取り付けてあります 。
このビスに 背中に開けた穴を 引っ掛けるのです 。
プレートの厚みと ビスの出を ほぼ同じにすれば
下方の丸い穴に ビスの頭を入れ 像を 押し下げた時に
像が 固定されます 。
プレートと 背中の穴は 仏師が 開けたものですが 、プレートの 汚れは
取り付けた後に オイルステインを 像に 塗った時に 付いたものです 。
仏師の 懸け仏は 平等院鳳凰堂の供養仏のようには 緻密には 作られていませんが 、
” 懸け仏 " という 表現方法を 仏師なりの作品に 応用させていただいた・・ということ 、
受け取っていただきたいと 思います 。
次回は 懸け仏の 子邪鬼 雷神の子を 紹介します 。